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アニメの製作費に関するちょっとしたお話

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アニメの製作費に関するちょっとしたお話

アニメの製作費はどうやって調達しているのか


アニメの製作費がどこから出てきているか知らない方は多いです。昔は、CMを出したい企業がスポンサーとして出資をしてくれたり、関連するおもちゃやプラモデルを売りたいおもちゃメーカーが主体となって作ったりという形が主流でした。この手法は、リスクが大きい代わりにリターンも大きく、特におもちゃメーカーがスポンサーの場合には、おもちゃとの兼ね合いで、いろいろ注文が入ることが多かったようです。
現在主流のものは、制作委員会方式というものです。制作委員会とは、複数の出資企業からなるもので、出資比率によって、ビデオグラム化する権利やネット配信する権利、キャラクターグッズをつくる権利など、さまざまな権利を分割します。制作委員会方式のメリットは、1作品あたりに対する出資額が減るため、その作品がこけたときのリスクを減らすことができるというものがあります。実際に、単独出資の作品がこけて、倒産や吸収合併に陥る企業は多くありました。ただし、リスクが減る代わりに、出資した作品が当たった場合のリターンも少なくなってしまいます。また、基本的に、権利の分割が目的なため、業界外からの出資は難しくなっています。
また、近年制作委員会方式以外の資金調達方法も出て来ました。それが、クラウドファンディングによる方法です。クラウドファンディングのメリットは、マーケティングをかねられるという点です。クラウドファンディングだけで、製作費をまかなうことができなくても、その作品のためにお金が集まったという実績ができるため、その後の投資が受けやすくなります。もし、お金が集まらなかった場合も、それによってその作品がヒットする可能性が低いことがわかるため、リスクの回避が容易になります。

アニメーション制作の費用構造


では、実際に制作してもらう場合の費用はどのようにして決まるのでしょうか?基本的に、制作費用は「シーンの数」と「動きの複雑さ」によって決まります。シーンごとに原画を描くため、シーンが増えると原画の枚数が増えてしまい、その分お金がかかってしまいます。例えば、10秒の歩いている場面を作った場合、10秒間同じアングルで作成した場合と、途中でカットを変えた場合だと、途中でカットを変えた場合の方が、必要な原画が増えてしまうため、費用が高くなってしまいます。
また、動きが複雑だったり、動く箇所が多くなったりした場合は、前の絵から書き換える箇所が増えるため費用がかかってしまいます。例えば、座ってお茶を飲んでいるシーンと激しいバトルシーンを比べた場合、お茶を飲むシーンでは動かす部分は腕と顔程度で済みますが、バトルシーンであれば、全身を動かさなければならず、手間がかかるため費用もかかります。
これらを併せて考えると、ころころカットの切り替わるバトルアニメーションを作ろうと思うと、動きが複雑でシーン数も増えるため、大変お金がかかり、逆に座ってしゃべっているだけのようなアニメーションをカットの切り替えもせずに作った場合は動きが単純でシーン数も少ないため、比較的費用を抑えることができます。

手書きと3DCGの製作費の違い


手書きのアニメと3DCGアニメでは製作費にどのような違いがあるのでしょうか?手書きのアニメの製作費は、ばっさり言ってしまえば何枚絵を描くかというところに集約され、アニメの長さとほぼ比例します。3DCGアニメも動画の尺が長いほど費用はかかりますが、時間当たりの費用は手書きに比べて少ないといわれています。
では、3DCGの方が安く作れるかというとそうとも限りません。なぜなら3DCGでお金がかかるのは、手書きにはない、モデリングの作業だからです。モデリングの費用はモデルを作った分だけかかってしまいます。つまり、動画の尺が同じでも、登場するキャラクターが多ければ多いほどお金がかかってしまいます。手書きであれば、そこまで大きく変わりません。また、3DCGの場合、モデリングの質による費用の差が大きく、当然、繊細で質の高いモデリングは高くつきます。手書きの場合、キャラクターの線の数と費用の間に相関はあまりありません。ですが、3DCGはモデルさえ作ってしまえば、後はそのモデルを動かして動画にするだけなので、動画の尺による費用の伸びはそれほどでもありません。
まとめると、手書きアニメは動画の尺によって費用が左右され、3DCGアニメはモデリングの量と質によるところが大きく、動画尺の影響が少ないため、短い時間でキャラがたくさん出てくるようなら手書きが、キャラが少なく尺が長いのであれば3DCGの方が安く仕上げられる可能性があります。どのラインが境界となるかは一概には言えませんが、参考として1クールの深夜アニメなどは3DCGが少なく、年単位で放送されるキッズアニメなどは3DCGが多いとも言われています。

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