伊藤智彦監督 『SAO』メイキングセミナー開催 プレセミナー・インタビュー(前編)

2017年5月9日

  • 演出・絵コンテ

伊藤監督がセミナー開催を前に、アニメについて監督自身が学生時代から考えてきたことややってきたこと、受講者に伝えたいメッセージなどをインタビューしました!

 

-伊藤監督が「アニメ監督」を志したきっかけを教えてください。

 

伊藤監督:きっかけは高校生の時に観た『新世紀エヴァンゲリオン』(1995年)。この作品を観てから、アニメをどういう人たちが作っているのか気になるようになりました。その後、通勤ラッシュに巻き込まれない仕事に就きたいと思って船の大学に進んだのですが、早稲田大学のアニメーション研究会で自主制作をしたりする中で、「こっちをやったほうが面白いかな……」と思うようになり今日に至ります。幸い、アニメ監督も通勤ラッシュとは無縁の仕事でしたね(笑)。

 

 

-伊藤監督が好きなアニメ、影響を受けたアニメ作品を教えてください。

 

伊藤監督:影響を受けたアニメは、今も言ったよう『新世紀エヴァンゲリオン』です。ただ、“好き”なのは、出崎統監督の『宝島』(1978年)ですね。大学生の頃に、再放送を観ていたのですが、男のロマンが感じられる素晴らしい作品です。当時、ちょうど船の勉強をしていたこともあってハマりました。でもなぜか、こういう海洋モノのアニメってほとんど存在しないんですよ。

 

あと、アニメではないのですが、マイベスト映画は長谷川和彦監督の『太陽を盗んだ男』(1979年)。やはり大学生の頃に観たのですが、かつて日本でもこういうパワーのある映画を作っていたんだなと感動したのを覚えています。

 

 

-アニメ監督になるために役立った、若いころの経験や趣味などはありますか? あと、もしあるのならば、こんなことをやっておけばよかったという後悔についても。

伊藤監督:大学時代、船の勉強の一環で、いろいろな土地に行ったり、船内生活をしたりしたことが勉強になった……のかな? まるでホワイトベースで生活しているみたいでしたよ(笑)。あと、接客業はやっておいて損はないと思いますよ。

 

趣味は旅行ですね。国内海外問わず、いろいろな所に行っています。訪れた場所の雰囲気や、そこで出会った人たちの記憶を作品作りの参考にしています。

 

後悔……もう少し恋愛しておけばよかったですかね?

 

 

-「アニメ」という表現手法について、伊藤監督が考える「強み」「魅力」を教えてください。

 

伊藤監督:『描けば』できる、多少無茶な話でも絵の説得力でなんとかできる点がアニメの強みだと思います。最近は、実写作品でもCGでそれに近いことができてしまうようになりましたが、『ソードアート・オンライン』のようなライトノベル的な、コミック的な世界観は、やはりアニメの方が向いています。セミナーではこのあたりの見せ方や、作り込み方についても解説したいと思っています。

 

『ソードアート・オンライン』  (1期1話 剣の世界) に登場する夕景シーン  伊藤監督がアニメならでは描けた世界の例としてあげてくれたワンシーンです↓

(C)川原 礫/アスキー・メディアワークス/SAO Project

 

-アニメ監督の喜び、やりがいとは何ですか?

 

伊藤監督:完成して作品が出来上がったとき、観た人が喜んでくれたときの喜びは他では得がたい快感です。ヒットすれば尚良し。

(インタビュー前編おわり)

(後編へ続きます=こちら

 


講師詳細

伊藤智彦

監督

愛知県出身。アニメーション演出家、監督。
『DEATH NOTE』で監督助手、『時をかける少女』『サマーウォーズ』で助監督を務め、細田守監督に師事。
その後数多くのアニメ作品で、演出、絵コンテに携わり、『世紀末オカルト学院』で監督デビュー。代表的監督作品は、テレビアニメ『ソードアート・オンライン』シリーズ、『劇場版ソードアート・オンライン-オーディナル・スケールー』『僕だけがいない街』『銀の匙 Silver Spoon(1期のみ)』など。

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